盲導犬の“パピーウォーカー”はご存知の方も多いのではないでしょうか。
将来の盲導犬候補となる子犬を、ボランティアの一般家庭で愛情いっぱいに育て、社会化を促す活動です。
私も、パピーウォーカーしか知らなかった一人です。
でも実は、聴導犬の世界にも子犬を家庭で育てるボランティアがあるってご存じでしたか?
それが ソーシャライザーです。
その前に少しだけ、聴導犬について触れておきます。
聴導犬とは?(簡単に)
聴導犬とは、
耳の聞こえない・聞こえにくい人に、生活の中の“音”を知らせる役割を持った補助犬 です。
たとえば…
- 玄関のインターホンが鳴った
- 目覚まし時計が鳴った
- キッチンタイマーが鳴った
- 名前を呼ばれた
- 赤ちゃんの泣き声がした
こういった「聞こえないと困る音」を、体をタッチして知らせ、音の場所まで案内してくれます。

視覚をサポートする盲導犬とは違い、
生活の中の“気づき”を届けてくれる存在 なんですね。
先日、日本聴導犬協会のイベントに参加させていただいた時に撮った動画です👇
聴導犬は、こんな感じで聴覚障害のある方に音を教えてくれます。
ソーシャライザーは、聴導犬版パピーウォーカーのような存在
ソーシャライザーとは、聴導犬候補の子犬を家庭に迎え、
人と暮らす基本を育てながら、いろいろな環境に慣れさせるボランティア。
日本聴導犬協会のソーシャライザーが一般的なパピーウォーカーと大きく違う点は、
日本聴導犬協会の子犬は、約2ヶ月ごとに違う家庭へ移動するということ。
子どものいる家・年配者だけの家・ペットがいる家・静かな家・にぎやかな家…
将来行く先がどんな家庭か分からないため、
“さまざまな生活環境に慣れる” ためらしいです。
👇わかりやすい動画を見つけました。
また、聴導犬は小型犬も多いのでマンション住まいでも預かれたりと
盲導犬のパピーウォーカーよりハードルが低いかもしれません。
👇ソーシャライザーの詳しい条件などについては協会HPをご覧ください。
ただ…我が家は先住犬の性格的に「子犬預かりは難しい」
ここで、我が家の事情を少し。
我が家には ビビりで吠えが出やすい先住犬レイちゃん がいます。

社会化途中の子犬を預かるのはレイちゃんにも子犬にもストレスが大きい。
だから、子犬預かりは難しい…と思っていました。
そこで紹介してもらったのが、成犬の PR犬“ももたろう”
そんな時、ブロ友の 大木奈ハル子さん が
「子犬だけじゃなくて、成犬を預かる形もあるよ」と教えてくれたんです。
そしてご縁があって、
現在、聴導犬協会のPR犬・ももたろう君(成犬) をお預かりしています。

獣医さんにも
「いろんなお家を経験しているのに、落ち着いていて良い子!どのお家でも大事にされてきたんでしょうね」
と言われるほど、穏やかで育ちの良い子。
これまで大切に預かってきたソーシャライザーさんたちの存在が見えるようでした。
って書くと、我が家のレイちゃんは育ちの悪い子みたいですが…😢
大木奈さんのnoteに、ももたろう君含め、今までお預かりした子のお預かり記録があるのですが、どれだけ大事にされてきたかわかります😍

聴導犬のソーシャライザーは、もっと知られてほしいボランティア
盲導犬に比べ、聴導犬は頭数も少なく、制度自体の認知度もまだ低め。
ソーシャライザー制度をもっと深く知りたい方は、
大木奈さんの noteがとても参考になります。

立派な聴導犬になった かなちゃん👇
我が家で暮らす“ももたろう”のこと
最後に、我が家で預かっている ももたろう君との暮らし について。
ももたろう君は、とにかく優しくて穏やかな子。
どこを触っても嫌がらないし、怒らない。
普段はおとなしく過ごしているのに、最近は私が帰ってくると 「どうした!?」っていうくらい狂ったように喜んでくれるようになりました。
あれは反則級に可愛い。完全に心を持っていかれています。

レイちゃんは最初かなり吠えてしまっていたけど、ももたろう君は本当に耐えてくれていた。
ワンプロするタイプではないので、いい感じの距離感でまったり共存。
むしろ、ももたろう君が来てから レイちゃんの活動時間が増えた のが意外な変化でした。
今までまったりしすぎて寝てばかりだったから…💧
ももたろう君、性格は穏やかそのものなのに、散歩では引っ張ったり、突然頑固に動かなくなったり……
そんな 犬らしい一面もあって、それもまた可愛い。
もしかして、私のこと「ちょろい」と思ってるのかな?ってくらい、こちらの様子を見て行動してる気がします。
困ったイタズラは全くなし。
私のスリッパを運んで振り回すくらいの可愛らしいことはしてくれます。

来たばかりの頃は外でしかトイレをしなかったのに、
レイちゃんの様子を見て理解したのか、トイレの失敗は一度もなし。
本当に賢い。さすがいろんなお家で大切に育てられてきただけあるなぁと感心します。
ただ、あまりにも可愛すぎて、つい膝の上にずーーーっと乗せていたくなる。
そこを甘やかしすぎないように自分を制しているのが正直なところ…。

食いしん坊なのであえて食事の時間は決めていません。
寝る時も一緒の布団で寝てくれます。

そして何よりの変化は――
「返したくない…」と家族も言うようになってしまったこと。

子犬とは違って、成犬はすでに性格が安定しているので預かりやすい。
“ソーシャライザーとして預かっている”という意識よりも、
普通に家族として暮らしている感覚に近いです。
ももたろう君の魅力を一言で表すなら。
\最高/
それに尽きます。
ソーシャライザー制度に興味がわいた方へ
もしこの記事を読んで、
- ソーシャライザーという形のボランティアがあるんだ
- 聴導犬の育成って、こんなふうに家庭の力が必要なんだ
- 子犬預かりは難しくても、関わり方の幅があるんだ
そんなふうに感じていただけたら、
ぜひ一度 日本聴導犬協会のソーシャライザー制度 を覗いてみてください。
制度の詳しい説明はこちらにまとめられています👇
そして、ソーシャライザーを実際に経験されている
大木奈ハル子さんのnoteは、本当にリアルで分かりやすくておすすめです。

私が制度を理解するうえでも、とても助けられました。
もしかしたら、あなたに合った関わり方が見つかるかもしれません。
聴導犬の存在がもっともっと広まり、
必要としている人に届きますように。
そして、ボランティアの輪もゆるやかに広がっていきますように。

